高品質・良食味米生産プロジェクト
新十津川町は、農家の皆さんが意欲的に良食味米生産に取り組んでいます。データに基づき高品質・良食味米生産をするため、可変施肥や適切な水管理を実施し、その効果を検証するプロジェクトが「高品質・良食味米生産プロジェクト」です。
実証内容
(1)圃場データを活用した可変施肥作業実証→食味収量コンバインデータなどを活用した可変施肥により生育ムラの縮減
(2)適切な水管理による品質向上・収量増加実証
→スマート農業技術の開発・実証プロジェクトで開発した適切な水管理ソフトウェアを活用した水管理 を実施し、品質向上、収量増加の効果を検証
→IIJ社の水田センサーと笑農和社の自動給水装置パディッチを活用し、スマートフォンによる遠隔水管理による水管理作業の超省力化を実証
(3)圃場データ収集・分析実証
→食味収量コンバインにより圃場内のタンパク値・収量のムラを把握し、翌期の施肥改善を実証
→リモートセンシング用ドローンにより幼穂形成期、出穂期、登熟期の生育データを収集・分析する。
参加メンバー
町内花月地区の白石農園を実証農場に「新十津川町スマート農業実証コンソーシアム」を設立し、次の団体が中心に取り組みます。- 新十津川町
- ピンネ農業協同組合
- 空知農業改良普及センター中空知支所
- 新十津川土地改良区
- 一般財団法人 ピンネ農業公社
- 株式会社 北海道クボタ
- 白石農園
実施結果
(1)圃場データを活用した可変施肥作業実証令和3年は、最大10kg/10aの差をつけた可変施肥の実施により、生育ムラが少なくなった結果、3.4%の収量向上が確認できた。
令和4年は、より明確に効果を比較するため、1つの圃場を分断し、可変施肥する部分と慣行施肥する部分の差を比較した。その結果、収量・品質ともに明確な差が出なかった。この原因は、可変施肥を行った箇所の水はけが悪く、可変施肥の効果が出にくい箇所であったと考えられる。
可変施肥を実施する際は、収量や品質が低い箇所の原因はなにかを特定したうえで実施することで、生育のムラを少なくすることができることを確認した。
(2)適切な水管理による品質向上・収量増加実証
水管理ソフトウェアを活用した自動水管理の実施により、幼穂形成期以降の水管理が92%削減された。令和3年、4年は冷害危険期間中に問題となるような低温がなかったが、低温年であれば、水管理ソフトウェアによる自動水管理により、冷害のリスクを軽減できたと考える。また、高温障害対策として夜間給水や走り水を実施することにより、胴割れや乳白米の発生を抑制することができる。
(3)圃場データ収集・分析実証
圃場内の食味収量が見える化されることによって、圃場ごとの施肥設定や可変施肥による生産コストの削減が期待できるため、今後は、食味収量コンバインとそのデータをマップ化する営農管理システムの普及が望まれる。また、リモートセンシングデータは、可変追肥の技術が確立することによって、基肥を抑えて追肥で調整ができるようになるため、肥料のトータルコストが削減できる。
この事業はサマージャンボ宝くじの収益金を活用して実施しています。
公益財団法人北海道市町村振興協会「先駆的調査・実証プロジェクト」により実施します。

お問い合わせ
産業振興課農林畜産グループ電話:0125-76-2134
FAX:0125-76-2785