2年間実証課題としていた「高品質・良食味米生産を目指す家族経営型スマート農業一貫体系の実証」について、スマート農業機械を導入したことにより、農作業の効率化、高品位米の生産による販売額の向上、家族経営型スマート農業の一貫体系「新十津川モデル」の構築をすることができました。
令和2年度実証結果
令和2年度は12の実証項目に基づき実証を行いました。各実証項目と実証結果は以下のとおりとなっております。
1.圃場データにより可変施肥(圃場内で生育ムラを減らすため肥料の量を調整すること)作業実証
→作成した可変施肥マップを基に散布した結果、散布量が調整され、収穫時にも生育ムラが抑えられた。
2.播種作業の自動化実証
→実証前と比較して総作業時間が大きく減少し、自動化により身体的負担も軽減された。
3.ロボットトラクター協調作業実証
→無人トラクターと有人トラクターの協調作業で農業者による作業負担が減少した。
4.直進アシスト田植機作業実証
→直進アシスト田植機の活用で家族の役割分担、作業体系の見直しによる作業の効率化、直進アシスト機能でハンドルを握らないため、精神的負担が軽減された。
5.全圃場水田センサー・自動給水装置設置による省力化実証
→水田センサーの活用でスマートフォンで水位の確認が可能となり、水管理作業が削減された。
6.ラジコン草刈機による省力化実証
→作業時間の削減、操作が簡易であるため女性もラジコン草刈機で草刈作業可能だった。
7.除草剤散布機のノズル交換による省力化実証
→少量で均一に散布が可能だが、慣行品と比較して目視しにくいため、確認しながらの作業になった。
8.ドローン防除・リモートセンシング技術の研究・実証
→操作の習熟とバッテリーの追加購入により待ち時間がなく作業が可能であった。リモートセンシングの実施により生育状況の見える化を実施できた。
9.労働時間を確保した複合経営拡大実証
→スマート農業技術の導入による作業効率化・省力化ができた結果、トマト管理・作業時間の確保、適期作業の実施が可能となり、収量・収益が増加した。
10.自動運転食味収量コンバイン作業、仕分け乾燥・出荷作業実証
11.圃場データ収集実証・圃場データによる翌期への活用実証
→作業体系の見直しにより作業の効率化が図られた。圃場が大きいほど作業効率が上昇する傾向が確認できた。(10と11は関連している実証項目のため、実証結果を1つにまとめています。)
12.経営・栽培システムによる経営分析の実証
→システムに日報データを入力し、集計作業とデータの確認を毎月行った。
開発・実証プロジェクト報告書
2年間の実証結果をまとめた成果報告書を作成しました。新十津川町スマート農業技術の開発・実証プロジェクト報告書(PDF/21.1MB)
2年間の実証総集編動画
2年間実証した総集編の動画を作成しましたので、ぜひご覧ください。2年間総集編動画(約15分)
2年間総集編動画(短編)(約5分)
本実証事業は農林水産省「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト(課題番号:大A01、課題名:高品質・良食味米生産を目指す家族経営型スマート農業一貫体系の実証)」(事業主体:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)の支援により実施します。お問い合わせ
産業振興課農林畜産グループ電話:0125-76-2134
FAX:0125-76-2785